2011年01月11日
東レ、愛媛工場の炭素繊維増設工事を再開
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東レ

東レは11日、中断していた炭素繊維生産設備の増設工事再開を決めた。再開するのは同社愛媛工場(愛媛県松前町)の特殊細物炭素繊維(3K、6K)年産1,000トン設備1系列で、総投資額は約160億円。2012年9月の稼働開始を目指す。

当初は2009年7月の稼働開始予定だったが、リーマンショック以降の世界的な需要急減により2009年春以降、工事を中断していた。

昨年からスポーツ用品、一般産業、航空機用途向けに需要が急回復してきたため工事を再開する。

同設備の稼働により、東レグループの炭素繊維生産能力は年18,900トン(うち愛媛工場は年8,300トン)となる。
設備投資額は、プリカーサー(炭素繊維原糸)製造設備と工場敷地の整備費用を合わせて約160億円の予定。

細物炭素繊維は、細物特有の優れた成形加工性を有するのが特長で、デザイン性や高度な設計対応が求められる自動車部材や自転車フレーム、産業用ロボット等のほか、航空機の二次構造材(主翼・尾翼の動翼部分;フラップ、スポイラー等)などに採用されている。

今後も環境・エネルギー分野をはじめ、航空機用途での新型旅客機本格量産化などに拡大が期待されている。
2010年の炭素繊維の世界需要は約30,000トン超と推定され、今後も年率15%以上の高成長が見込まれている。東レでは市場の伸びにいち早く対応し、日・仏・米の世界三極生産体制によるグローバル展開を加速する。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1294726428.pdf