2011年01月18日
PSの10年内需は68万7727トンで前年並み、輸入は2万トン増の5万トンに
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

日本スチレン工業会は18日、2010年(暦年)のポリスチレン(PS)生産出荷実績を発表した。
それによると、10年のPS生産は70万3349トン、前年比2%増で70万トン台に戻した。内需は68万7727トンで前年(68万7470トン)並みを維持した。

国内出荷の内訳をみると、電機・工業用がエコポイント制度の影響でデジタル家電用と生活家電用が伸びて14万3852トンで同7%増、フォームスチレン(FS)用が住宅エコポイントの対象になった押出ボードの回復により15万5961トンで同14%増となったものの、包装用が軽量化・薄肉化の影響で31万4591トン、同2%減、雑貨産業用が輸入品の増加の影響で7万3323トン、同21%減となった。

同工業会の首長信幸会長(PSジャパン社長)は2010年を振り返り「底を打ったのか、足踏みしているのか判断に悩むところだが、輸入品が前年より2万トン増の5万トンに拡大しており、輸入を加えた内需全体では73万トン台(前年は71万トン台)になり、底固い需要構造の年だった」と表現した。

2011年の見通しについて首長会長は、「個人的な見方だが」と前置きして「エコポイントの反動がどう出るのか、輸入拡大の影響がどう出るのか不透明感が強い」としながらも「輸入は5万トン程度で内需全体も前年並み(73万トン)になるのではないか」と予想している。

また、輸入品(韓国40%、台湾36%)については、「〓アジア品質・アジアコストのPS〓と、〓日本品質・日本コストのPS〓との棲み分けができるかどうかが問われている」とし、日本品については今後「差別化できる技術力、差別化できるマーケティング力を大事にしていかなければならない」と強調した。

なお、スチレンモノマー(SM)の2010年生産は定修年のため前年比2%減の294万トン、国内出荷はすべての分野で増加したため152万トンで同11%増、輸出は146万トンで史上最高の前年から11%減となり、出荷合計は同1%減の299万トンだった。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1295340660.pdf