2001年03月07日
大日本インキ、米ライヒのスペシャルティラテックス事業をダウと統合
折半出資会社を設立/汎用ラテックス事業はダウに売却
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業

 大日本インキ化学工業はこのほど日、米国の100%出資子会社で、合成樹脂事業を手がけるライヒホールド社のラテックス事業について、米ダウ・ケミカルと合弁会社を設立、同事業の一部を売却する方向で最終討議を進めていることを明らかにした。今後数カ月以内に最終契約を締結、関係当局の許認可を申請する予定。
 ライヒのラテックス事業の売上高は年間1億9,000万ドルで、北米の主要メーカーの1社に数えられている。同事業は、紙加工用、カーペット裏打ち用などの汎用ラテックスと、工業用接着剤、合成グローブ向けなどのスペシャルティラテックスに大別される。汎用ラテックスについては、市場の成熟が進むなかで価格競争が激化し、今後は規模拡大によるコスト競争力強化が求められている。一方スペシャルティラテックスは、販売数量・金額とも順調に増加しており、今後も用途開発による市場の拡大が見込まれている。このような状況下においてライヒは、“選択と集中”の観点から1999年には折半出資会社で、欧州において汎用ラテックス事業を手がける合弁会社の持分を合弁パートナーに売却するなど、高度な独自技術と強固な市場基盤を持つスペシャルティラテックスへの傾斜を強めてきた。
 これに対しダウは、世界最大規模のラテックスメーカーの1社として、ワールドワイドに展開、特に汎用ラテックスには強く、競合メーカーの事業統合や再編が進むなかで、さらなる事業の強化とスペシャルティラテックスの強化策を検討していた。
 今回の計画は両社の狙いが一致したものであり、ライヒは汎用ラテックス事業をダウに売却するとともに、スペシャルティラテックス事業では両社で折半出資会社の設立を目指す。計画では、今後新会社が両親会社から多くの製品群と経験・技術を引き継ぎ、シナジー効果の極大化を図る方針。これにともない、スペシャルティラテックスにおける世界のリーディングカンパニーを目指し、取引先に対し世界級のサービスを地域ベース・グローバルベースそれぞれで提供することができようになるとしている。