2011年01月26日
宇部興産「電池材料事業」強化へ 日・欧の開発拠点を拡充
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:宇部興産
ウベケミカルヨーロッパR&Dセンター

宇部興産は26日、ハイブリッド自動車や電気自動車向けとして、リチウムイオン電池(LiB)の将来に明るい見通しが出てきたため、電池材料事業を成長戦略事業の一つと位置づけ、(1)ビジネスユニットの新設(2)マテリアル開発センターの新設(3)欧州拠点であるスペインでの電解液開発体制整備など、同事業の強化に積極的に取り組むと発表した。

■機能電池材料ビジネスユニットの新設
2月1日付で機能品・ファインカンパニー内に「機能電池材料ビジネスユニット」を新設する。LiB用の電解液とセパレーター両事業を統合し、同社電池材料ビジネスの中核事業部門とする。ユニット長には勝田正彦(現 高純度化学薬品ビジネスユニット長)が就任の予定。

■先端エナジーマテリアル開発センターの新設
LiB用の電解液とセパレーターの開発機能を統合する組織として「先端エナジーマテリアル開発センター」を2月1日付で山口県宇部市に新設する。

LiBだけでなく、次世代電池・太陽電池・燃料電池なども加え、宇部興産グループ全体のエナジーマテリアル開発を一手に担う組織として“機能創出”をキーワードに先端材料の開発力を強化する。将来的にはスマートグリッド時代の到来を視野に入れ、社内の創エネ、省エネ関連の研究開発要員も集約する。新センター長には安部浩司(現 機能材第一ビジネスユニット長)が就任の予定。

■スペインでの電解液開発体制整備
欧米のLiB需要拡大に対応するため、スペインにあるウベケミカルヨーロッパ社[UBE Chemical Europe S.A.]に大型LiB向け電解液の開発体制を整備する。

大型LiBは電気自動車やスマートグリッド向けに需要の拡大が見込まれている。今年4月には、同社R&Dセンター内に各種分析装置、小ロット電解液の調合設備などを整え、本格的な市場展開を開始する。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1296018653.pdf