2001年03月06日
ポリカーボネートの香港市況、一般グレードで2Qに値下げ要求
現在ディスク向けは2,800ドル、一般は3,000ドルで推移
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 PC(ポリカーボネート)の香港市況は、ディスクグレードがトン当たり2,800ドルと依然下落傾向にあり、一般グレードは同3,000ドルで推移しているが、一般グレードについては、ユーザーから第2四半期に100ドルの値下げを求める声が強まっている。
 日本のPCメーカーによると、ディスクグレードの市況は、昨年3月にタイで事故が発生した後、3,800~4,000ドルまで上昇したが、その後は下落傾向が続き、昨年末には台湾のディスクメーカーが余った原料を香港に持ち込んだことなどからさらに下落、現在は2,800ドル前後(台湾市況は2,600ドル前後)となっている。また一般グレードは、事故の影響はあまりなく、3,000ドル前後で推移してきたが、ここに来てユーザーから第2四半期に100ドルの値下げ要請を数多く受けているという。また中国の市場関係者の中には、「もう少し下がっている」という声もあり、高成長を続けてきたPCの需要もややトーンダウンしている。
 このような動きの大きな要因として、GEプラスチックスがスペイン・カルタヘナに有している年産13万トンの大型設備がようやく本格稼働し、拡販を進めているということが挙げられている。GEの一般グレードの価格は、最も安いところで2,700ドル前後と見られ、これを背景に市況軟化を望む声が相次いでいるものと思われる。また、OA機器向けの需要がやや冷え込んでいることも大きい。
 ただし、日本のメーカーは、欧州の市況が第1四半期に値上げした後も下がらずに第2四半期を迎えると見られていること、また一時はディスクグレードの下落の要因ともなった台湾のディスクメーカーの淘汰が始まり、ピーク時に30社あったメーカー数も3分の1程度まで減少、落ち着いてくると見られていることなどから、徐々に市況も反転すると期待している。