2011年02月04日 |
東レ「超高耐久 PETフィルム」開発 汎用品の約4倍向上 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東レ |
東レは4日、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの耐湿熱性(注)を大幅に向上させた「超高耐久PETフィルム」を開発したと発表した。独自のポリマー設計技術とフィルム精密構造制御技術を融合させ、機械特性を維持したまま、耐久性を約4倍、従来の高耐久PETフィルムに対しても約2倍向上させることに成功した。 これにより需要範囲の拡大と、製品寿命の向上が期待できるとしており、今後、早期製品化に向けた開発を加速する方針だ。 PETフィルムは、機械特性、耐薬品性、電気特性等に優れ、幅広い用途で使用されている。そのうち耐久性が求められる用途に、太陽電池のバックシートやモーター用の絶縁部材などがある。 PETフィルムは高温多湿下に長期間さらされると加水分解や配向緩和が進行して機械特性が低下することから、これらの用途では耐久性の高いPETフィルムが望まれている。 東レは今回、ポリマー設計技術として、原料のPET樹脂に、CAC(コンピューターケミストリー)を活用し加水分解反応を抑制するための最適な触媒設計、ポリマー設計を行った。この結果、高温多湿下における耐加水分解反応性が、従来の耐久PETフィルム比1.5倍向上した。 なお同社はこの開発成果を、2月16日から東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2011」(国際ナノテクノロジー総合展・技術会議)に出展する。 <用語の解説> ■ 耐湿熱性 :フィルムが高温多湿下に長期間さらされた際にフィルムの機械特性を維持すること。通常、初期の破断伸度に対して、高温多湿下にさらされた後の破断伸度の保持率が半分となる伸度半減期で表される。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1296806362.pdf |