2011年02月10日
石化協「事故事例巡回セミナー」に230人が聴講
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:石油化学工業協会
第5回事故事例巡回セミナー会場

石化協は4日、川崎市のサンピアンかわさき(市立労働会館)で、第5回事故事例巡回セミナーを開催した。事故や災害、安全対策に詳しい業界の“先輩”を講師に迎えて、工場現場にとって安全上何が大切かについて、直接指導を受けようというもので、この日は川崎地区のほか、千葉などの遠方からも保安担当者がつめかけた。聴講者は230人と過去最高で、安全への関心の高さを示した。

高橋恭平会長(昭和電工会長)の挨拶に続いて、藤村直孝・三井化学生産技術本部長付が「失敗から私達が学ばねばならないもの」、奥田宗博・元出光興産千葉工場長が「事例に基づく保安の取り組みへの提言」をテーマに講演を行った。

この中で藤村氏は「安全技術は過去の多くの失敗(事故・災害)を糧として進歩して来たが、ここ数年事故・災害数は再び増加傾向にある」と述べた後、三井化学の例として「(私は)安全・環境部長時代からグループ社員一人一人の心に安全の尊さを訴えてきた。安全文化の構築を目指してヒューマンファクターに着目し取り組んできた」とし、具体的な事例を紹介しながら、安全対策の大切さを訴えた。

また、奥田氏は「事故の原因にはヒューマンエラー、設備の問題などいろいろあるが、根っ子には人がいる」と、まず人の問題をポイントに挙げ「組織・職場のDNAに潜む事故の原因を見つけ、そこにメスを入れ、安全文化・風土を醸成することこそ 事故防止の要だ」と強調した。