2011年02月16日 |
中原VEC会長が指摘「今秋の環境税が企業業績を圧迫する恐れ」 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:信越化学工業、トクヤマ、塩ビ工業・環境協会 |
塩ビ工業・環境協会(VEC)の中原茂明会長(トクヤマ会長)は16日の定例会見で、「塩化ビニル樹脂もそうだが、最近発表されている経済関係の数字は内需がマイナス基調からプラスになっている。企業業績も回復基調が報道されているが、そうした実感はない」と語った。「昨年は、リーマンショック後の不況の影響が続いており、どん底にあったのが現実だ」と指摘し、単純な比較を疑問視した。 とくに最近の企業業績については、「人件費、諸経費を抑え、それを利益に振り向けている感じがする」と脆弱さを指摘したうえで、「現在、原油をはじめナフサ、石炭など原燃料が高騰している。そうした中で、石油石炭税の税率を大幅に引き上げた環境税が今秋から施行されるため、それが企業業績の大きなプレッシャーになる」と強調した。 VECが同日発表した1月の塩化ビニル樹脂(PVC)生産出荷実績によると、生産は14万2917トン、前年同月比11.0%減で、需要見合いの生産姿勢にあることを示した。一方、国内出荷は硬質用が同7.4%増、軟質用が同9.0%増、電線その他用が「同1.6%増と軒並み増加したため、国内出荷合計は8万8102トン、同6.7%増で5カ月連続の前年比プラスとなった。一方、輸出は4万8412トン、同31.4%の大幅な減少となった。 これについて宮島正紀VEC副会長(信越化学工業取締役)は、「昨年1月が前年比40%増と大幅に伸びたためで、今年1月の輸出規模は昨年10-12月並みである。とくに原料高で採算が厳しくなっていることも影響している」と見ている。 一方、塩化ビニル樹脂モノマー(VCM)は、生産・出荷とも昨年が高かったため減少しているが、ほぼ前月並みである。 ニュースリリース参照 ○塩ビ樹脂 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1297834225.xls ○塩ビモノマー http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1297834225.xls |