2011年02月22日
ダイセル・新中計、13年度売上高4200億円、営業利益450億円
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:ダイセル化学

ダイセル化学工業は21日、新中期計画「3D-1(スリーディーワン)」(2011年度—2013年度)を策定したと発表した。2020年に向けた長期ビジョンとして「世界に誇れる“ベストソリューション”実現企業」を掲げた。今回中計はその第1ステップとなる。

まず経営目標として、
(1)2013年度連結業績で売上高4200億円(2009年度実績3200億円)、営業利益450億円(同209億円)、経常利益450億円(同200億円)達成を目指す。
(2)新規事業創出の加速化を図り、10年先を見据えた長期ビジョン目標(2020年までに売上高100億円規模の新規事業5ユニットを創出する)達成の足がかりをつくるーなどを掲げた。

今回の「3D-1」は、2020年の長期ビジョンに向けた第1ステップで「設計・挑戦」と位置づけた。次の「3D—2中計」(展開・飛躍)、「3D—3中計」(実現・提供)へとつなげる。

新中計では、「新事業の創出」に重点を置くほか、「コア事業の強化」、「戦略的M&Aの活用」、「グローバル事業展開の拡大・強化」など、7つの戦略的目標に取り組む。連結ベース研究開発費は10年度の120億円から30%増としR&D体制を強化する。

新規事業の創出には、コア技術であるセルロース、有機合成、高分子、火薬工学をベースに取り組む。すでに機能化学品やフィルムは、エレクトロニクス市場向けに展開中だが、さらに今後の成長分野であるエネルギー、環境、メディカル・ヘルスケアなどの領域に向けて積極的にプロジェクトに取り組む。

グローバル展開では、中国、インドを中心に拡大する需要を着実に取り込む。グローバル事業の展開・拡大により、2013年度には海外売上高比率45%(09年度37%)台を見込む。

また、モノづくり基盤を強化し、省エネルギー目標として原単位年平均1%以上の低減を図るとともに、コストダウン目標を09年度比60億円とする。さらに、戦略的M&Aの活用により、新事業プラットホームの獲得とコア事業の基盤強化を図る。「戦略的M&A予算」として総枠1000億円を準備・投下する。

中期計画で重視する経営指標は、従来のROA(総資産経常利益率)からROE(自己資本利益率)に転換し、ROE10%を目指す。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1298276844.pdf