2001年03月05日 |
中国のPE輸入、カナダ品と米国品が著増 |
昨年の伸びはカナダが51.5%、米国が40.4% |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
中国が主として農ポリ用に輸入するLDPE(低密度ポリエチレン)のうちカナダ品と米国品が2年連続で大幅な増加を遂げ、両国の合計数量は首位の韓国に肉迫する事態となってきた。 中国による昨年のLDPEの総輸入数量は175万2,726トンとなった。98年の181万737トンには及ばなかったものの、前年に対しては7.1%増となっている。トップは依然として韓国品で、数量は33万574トンと他の国を圧倒している。ただし前年比は75.9%と大幅に縮小している。 これとは対照的に著しい伸びを遂げているのはカナダ品と米国品だ。カナダ品は51.5%増の15万2,598トン、米国品は40.4%増の14万8,028トンとなっている。前の年も前年をそれぞれ56.5%と22.7%上回っているので2年連続の大幅増である。数量面でのランキングは4位と5位であり、合計の数量は韓国に急接近している。ちなみに日本品は16万4,829トンで前年を15.6%下回っている。 わが国の大手商社は、こうしたカナダ品と米国品の急増は天然ガスを出発原料にしているコスト面の強みによってもたらされたものと分析している。しかもカナダの場合は、昨年大型エチレン装置を増設したことも大きくからんでいると見ている。 一方、今後については、天然ガスが高騰してきたので両国とも対中国輸出にブレーキをかけてくると予想する向きがある。だが、米国の景気後退が進めばこれまで以上に中国にはけ口を求めてくるのではないかとの見方る向きも少なくない。いずれにせよ、日本のLDPE業界にとってカナダと米国は軽視できない存在となってきたと言えそう。 |