2011年02月23日
セミナー「中国 医薬品開発の動向」 正田豊氏が説明
【カテゴリー】:海外
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健康医療開発機構(NPO)が22日、東京で開いたセミナー「中国医薬品開発のいま/北京からのレポート」で、正田豊・天津導豊康科技発展有限公司董事長(山之内製薬元医薬開発部長)が「中国の医薬業界動向」を語った。

正田氏は「2010年に中国はバイオ医薬を基幹産業として育成する方針を打ち出した。以後、健康保険制度、薬価収載、医薬承認の制度が急速に進んでいる」という。保険制度は1951年の文化大革命時から奨励されてきた。

07年の医療保険制度改正で、都市の労働者2億2,000万人が対象となり、農村の新型医療制度があって8億3,000万人、計85%(総人口13億人)に広がった。政府は1兆円の予算を組んでいる。

また、07年から都市住民の年金制度が実施され、4億人をカバーした。農村はモデル地区でテスト中。3~5年はかかるとされている。薬価は国家基本医療保険医薬品制度で扱われ、普及してから2年に1回、承認(日本は薬価を決めてから発売)する。

薬価のリストは労働社会保障部(MLSS)が作成、国家発展改革委員会(NDRC)が薬価を決める。ワクチンは政府の統一価格。品質の優れた薬品は単独で正価が決まる。高価な新薬に人気が高い。リストは外国特許、特許切れ、一般の3グループを対象としている。

薬価のリストの乗ると医薬品の価格が、最大40%も下がるため,小売店・薬局の存続問題も出ている。
医療体制は予防と治療。3級、2級、1級(甲、乙、丙)に区分され、09年の診療所の数は2万291件。3甲756件、2甲3,611件。総合病院は約1,300、中医(漢方)は2,700ほど。患者は大病院に集中している。

これを解消するために都市コミュニティサービスセンターに誘導、この後、大病院に紹介させるというやり方や病院設立と経営を外資に開放する措置もとられている。日本のやり方をよく勉強している。

医薬の承認は管理面で衛生部の食品医薬品監督管理局(SFDA)が担当。1類で天然薬物(中医、化学医薬品)、治療用生物製剤、予防用生物製剤。審査は中国薬典に忠実に行っている。安全、薬事を基本に多くの人の目に触れるようにしている。