2001年03月02日 |
東レ、今後も透明グレードを中心にABS樹脂事業の特殊化を推進 |
透明分野でも高機能品拡販で海外競合メーカーとの住み分け可能 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:東レ |
東レは、ABS樹脂事業において同社が得意とする透明グレードを中心に特殊化、高付加価値化を図っていく考えだ。 ABS樹脂の透明グレードは、いわゆるスケルトンブームの波に乗って、この2~3年で大きく需要が拡大、極めてタイトな需給環境も手伝って、汎用グレードの1.5~2倍の価格で推移していた。しかし、昨年後半からはブームも沈静化、さらに国内メーカーを中心とした増産やABS樹脂の世界最大手である奇美実業の新規参入などもあって、需要、市況とも下落しつつある。 同社は、千葉のほかマレーシアにも子会社TPM(トーレ・プラスチックス・マレーシア)として生産拠点を有しており、千葉では特殊品、TPMでは汎用品を中心に生産している。先に述べたように透明グレードは、競争が激化しているものの、同社は、透明グレードのなかでも耐衝撃性、耐熱などの高付加価値グレードで、透明用途ではPC(ポリカーボネート)のやや下の領域を狙い、透明グレードで雑貨などの汎用分野を狙う海外のメーカーとはある程度の住み分けは可能であると見ている。 なお同社の昨年の販売実績は、TPMの設備はフル稼働で18万トンを販売したほか、千葉も汎用グレードは振るわなかったものの、透明を中心とした特殊品の好調で業界平均並みの2%増を確保したもようだ。 |