2011年03月04日
ユニチカ、二酸化炭素を原料とするバイオマス由来ポリ尿素を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:ユニチカ

ユニチカは4日、産業技術総合研究所と共同で、二酸化炭素とジアミンからバイオマス由来ポリ尿素を製造する技術を開発したと発表した。再生可能なバイオマス由来の化合物を原料とし、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を直接固定化できる。

物性面でも脂肪族ポリマーでありながら高い耐熱性を示し、エンジニアリングプラスチックとしての用途展開が期待できる。

このため同社では“世界初の究極の環境配慮型素材”として今後さらに開発に力を入れる。2014年までに製造技術を確立し、早期の実用化を目指す。

ふつう二酸化炭素とジアミンからポリ尿素を得るには高圧が必要だが、今回、産総研コンパクト化学システム研究センター(仙台市)の協力で、重合方法・条件を工夫し、10メガパスカル(約100気圧)以下の圧力でも高分子量で熱可塑性のポリ尿素を得ることに成功した。
 
耐熱性や機械物性などに優れ、類似の脂肪族ポリアミドと比較して、20℃程度高い融点(220℃〜300℃)を有している。さらに結晶化を促進することで、荷重たわみ温度(高荷重)が200℃以上の優れた耐熱性を示す。原料組成の組合せを変更することで融点を制御することもできる。

電気絶縁性や電気特性にも優れており、既存のポリアミドなどのエンプラが使用される用途分野に適用が可能だ。このため特に自動車用部品、電気・電子材料用部品、繊維、フィルムなどの分野に展開が期待できるとしている。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1299226563.pdf