2011年03月07日
三井化学、「医療用接着剤」開発、年内上市へ
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三井化学

三井化学は7日、手術時の切開部接着に用いる医療用接着剤を開発したと発表した。薬事法承認を得た上で、2011年内の上市、販売を目指す。

従来、手術後の切開部の縫合には糸やステープラー(固定針)が使用されてきたが、最近は傷痕が目立たず、感染防止の上からも、医療用接着剤が多く使われるようになっている。

医療用接着剤の世界市場は2009年で6億5千万ドル、今後も年率12%以上の高い成長が予想されている。

三井化学が開発した医療用接着剤は、既存の接着剤に比べて粘性が高く、創内へ垂れ込みにくいため、治癒阻害が少ない。また、独自の触媒技術を導入しており、副生物が少なく炎症が起こりにくい特長がある。さらに、接着剤成分は医療分野で30年以上にわたって使用され、安全性も実証済みである。

現在、北里大学医療衛生学部人工皮膚研究開発センター・黒柳能光教授の下で有用性等を評価中で、この成果は、3月1日開催された第10回日本再生医療学会総会で報告された。

三井化学グループは、2011年度から始まる3カ年中計で、ヘルスケア領域を含む精密化学品事業を「重点5事業」の一つに位置付けている。今回開発した医療用接着剤も今後積極的に事業展開していく方針だ。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1299469887.pdf