2011年03月09日
仏山市がLEDクラスタ-計画を説明、参加呼びかけも
【カテゴリー】:海外
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広東省仏山市は8日、東京・江東区の有明ワシントンホテルで同市の南海区を中心とする新光源産業化基地・LED(発光ダイオード)クラスターの建設について説明、日本企業の参加を呼びかけた。

説明会では劉銘恩・南海区副区長が「世界的に需要が伸びているLEDの照明器具について、市は自動車部品、家電製品に次ぐ主力産業として発展させることになった。南海区(総面積60万平方メートル)ではすでに10万平方メートルの専門生産エリア(30社が入居)を完成、2011年の売り上げは10億元に達する見込み」であると述べた。

具体的には半導体照明産業化技術公共サービスプラットホームと製造産業園の事業で、専門生産エリアのほか、経済、科学技術研究開発機関(今年3月完成)、総合模範、生活(同9月完成)などのエリアの建設が進んでいる。

科学技術研究開発機関エリアには国家級半導体照明工程中心、同検査中心、広東省半導体照明設計中心、電工源産学研合作などがすでに入居している。新光源産業化基地の総面積は約167万平方メートル。

市の対外貿易経済合作局の劉暁明副局長は「LEDではグリーン産業の発展を目指しており、地方財政で20億元の予算を組んだ。半導体・チップ製造の支援、技術開発、上流から下流までのチェーンの完備などを対象にしている」という。

仏山市は広州市に北側に隣接、珠江デルタ経済圏の中心部にある。広州市の3大交通機関(新国際空港、南沙港、鉄道ターミナル)から1時間以内の距離。総面積3,848平方キロ、人口600万人強、2010年のGDPは5,600億元(前年比14%増)。

市には世界500社のうち47社が投資、日本企業は170社余(投資額23億ドル)が参加している。世界の照明大手、ドイツ・OSRAMのほか、東芝、パナソニック、帝人、三菱レイヨン、大塚製薬、地元中国のSemiLEDsなどが活躍している。

産業は光電、新材料、新医薬、環境保全、新エネルギー、現代サービス業の6分野に力を入れている。これまでに産業の集積化が進み、投資環境が整備され、マーケットも抱えている。とくにLEDについては街灯や公共施設での採用を促している。

LEDの代表企業を10社、応用について10部門の製造企業を20社育てる方針だ。一方で中小メーカー、ベンチャーの育成にも積極的で23万平方メートルの敷地にレンタル工場も建設する。

中国でのLED生産は広東、江蘇、上海、大連、福建などに集中している。仏山市はLEDの売り上げを年1兆5,000億元とし、15年に3兆円を目指す。とくに広州、天津、北京、上海、武漢などでの自動車用照明も販売の視野に入れている。