2011年03月10日 |
NEDO等、革新的創薬開発でMD臨床試験の実施と国内一括受託体制構築へ |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:NEDO |
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)及びNEDOの革新的創薬技術開発プロジェクト(基礎研究から臨床研究への橋渡し促進技術開発)に取り組んでいるプロジェクトリーダーの杉山雄一・東京大学大学院教授は10日記者会見し、臨床開発の第1相試験の前段階で行う極微量(100マイクログラム以下)の医薬品をヒトに投与するマイクロドーズ臨床試験(MD臨床試験)を国内で初めて合計28プロジェクト実施し、ヒト体内における薬物動態予測の実用化に成功したと発表した。28プロジェクトについて「対象になった人は150人を超える」(杉山教授)ことを明らかにした。 これは、厚生労働省が2008年6月に「MD臨床試験実施のガイダンス」を公示したのを受けてNEDOと研究グループが国内で初めて、AMS(加速器質量分析法)及びPET(ポジトロン断層法)を用いたMD臨床試験を実施したもの。 NEDOと研究グループは、今回の成果を踏まえ、平成23年度に[1]日本では初めてとなる国内製薬企業の開発フェーズに乗っている新規医薬品候補化合物のMD臨床試験を実施?MD臨床試験を一括して受託できる国内体制の構築—を目指す方針である 医薬品開発では、フェーズ1臨床試験に入った化合物のうち実際に医薬品として認可されるものは8%程度にとどまり、しかも新薬承認までにかかる費用は1つの医薬品当たり800-1000億円にのぼる。このため臨床試験に入る段階で医薬品となる確率の高い候補化合物を選択することが必要であり、MD臨床試験の重要性が高まっている。 23年度に行う新規医薬品候補化合物のMD臨床試験の実施体制は、東京大学、摂南大学、理化学研究所、京都大学、大阪市立大学、九州大学、福島県立医科大学と国内製薬企業が見込まれている。 国内製薬企業としては、アステラス製薬、エーザイ、小野薬品工業、大塚製薬、塩野義製薬、第一三共、大正製薬、大日本住友製薬、中外製薬、武田薬品工業、田辺三菱製薬、大鵬薬品工業などが候補にのぼっている。 一方、MD臨床試験を受託する国内体制の構築では、積水メディカル、アドメリサーチ、医薬品開発支援機構の2社・1団体が軸になる見通しである。 |