2001年03月01日 |
東レ、PPSコンパウンド輸出比率は当面20%目標に拡大 |
国内では自動車分野に注力~巻き返し図る |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:東レ |
東レは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)事業について、コンパウンド輸出の比率を全体の20%を目標に引き上げる考えだ。一方、国内では、自動車分野に注力、巻き返しを図る。 同社は現在、東海工場にリニア型2系列計年産2,900トン、架橋型1系列同2,800トンと、合計5,700トンのPPSベースレジン生産体制を構築している。リニア型ベースレジンの一部は、以前から提携関係にあるフィリップス石油(現シェブロン・フィリップス・ケミカル・カンパニー、CPC)にも供給している。輸出についてはCPCとの契約見直しを経て一昨年からスタート、日系企業を中心に行っているが、ユーザーの海外移転が進んでいることもあり、当面20%を目標に輸出を積極的に拡大する。 一方でここ数年は、他社にシェアの拡大を許していたが、今年から自動車分野の新規アイテム、特に燃料、ホース周りを中心に注力し、巻き返しを図る考え。 このほか同社は、他のPPSメーカーと違い、川下展開にも力を入れており、現在はPPSフィルムが携帯電話のチップコンデンサー向けで好調なほか、PPS繊維もバグフィルターや抄紙用キャンバス向けの需要拡大が期待されている。さらに先頃、米AFY社からPPS繊維事業の営業権を買収、世界シェアを6割強に拡大した。海外、国内、そして川下それぞれの施策により東レは、PPS事業の強化・拡大を目指す考え。 |