2011年03月23日
三菱化学・鹿島事業所の被害予想以上 再開に2カ月以上
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学

三菱化学・鹿島事業所が今回地震で受けた被害は予想以上に大きく、エチレンなどプラントの再開には最短でも2カ月以上を要する見通しだ。三菱ケミカルホールディングスが23日発表(第3報)したところによると、鹿島事業所は現在、自家発設備も含めて全設備が停止している。

これまでの調査によると、バース(港内において入出荷を行う場所及び使用する設備)が損傷を受けたほか、周辺道路が大きく損傷しており、陸上・海上とも入出荷が困難な状況となっている。

電源周りの機器も損傷しており、ダメージは「致命的といえるほど大きい」(三菱化学)という。今後、取り替え機器・部品の発注や配管工事などを急ぐが、それでも再開までには最低でも2カ月以上を要する見通し。。

この間の石油化学製品の供給については、一応他社購入や融通、輸入品によって最大限まかなっていく方針である。ただ、「すでに一部打診はしているが、地震の影響を受けているのは当社だけではない。今後被災地向け出荷優先などの動きが高まってくれば、はたして思うようにいくかどうか」という不安はあるようだ。

現在、鹿島事業所では再開に向けてなお詳細な調査が必要なため、事業所内の点検、プラントの状況確認等を継続して行っているが、幸い製造設備には、火災等といった保安上のトラブルは起きておらず、安全に停止しているという。

また、同社の筑波事業所は地震発生後、全製造設備を停止していたが、安全が確認できた製造設備から稼動を再開しており、4月上旬には全設備が稼動再開できる見込みである。

さらに、小田原事業所も全設備停止後、安全を確認できた設備から順次稼動再開しており、きょう23日をもって全ての製造設備が稼動を再開した。