2011年03月25日
7月着工へ 丹陽市の日系自動車部品工場       
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

上海から南京までの高速鉄道「和諧号」の開通に合わせて計画されていた、江蘇省丹陽市の日系自動車部品工場の建設がこの7月に着工、年内完成を目指す。同工場は中国自動車工業会、ジェトロが支援している。中国での組合出資方式の専用団地の設置ははじめて。

現地では丹陽市商務局、丹陽市国際投資促進服務中心が工業用地を整備中で、5月末までに21万平方メートル(第1期)を確保。2,920平方メートルのレンタル工場が30棟、7,500平方メートルの事務棟、8,000平方メートルの共同棟が建設される。

丹陽市は3000年の歴史があり、春秋時代の呉の国として知られる。長江と京杭運河の交差点で交通の要所でもある。総面積1,059平方キロ、人口105万人。

09年のGDP500億ドル、対外貿易額15.41億ドル、県レベルの市,鎮江市の管轄下にある。市は上海、昆山、蘇州、無錫,常州、丹陽(上海から1時間余り)、鎮江、南京の和諧号停車駅の一つ。常州に近い。

産業は樹脂レンズで世界生産の50%を占め、中国の80を占めている。また、アジア最大の人造繊維板の生産基地でもある。華東地域で最大の自動車部品拠点、1,000社を数える。高性能合金材、精密鋳造、ハイテク表面処理、航空機用の超純度高温合金や木材産業でも有名。

面積15平方キロの経済開発区のほかフィンランドから技術導入したデジエコ産業園(5平方キロ)があり、科学文化産業園は30万平方メートルの広さ。ハイテク産業集中区(13平方キロ)には180社が立地している。

商務局国際投資促進服務中心の馮丹華主任は「日本の自動車部品工場には期待している。市は設備製造業、電子情報産業、新エネルギー、環境保全産業、新素材、バイオ医薬産業、アウトソーシング産業などに重点を置いているが、ハイテク企業の所得税は15%、利益の少ない中型企業は20%。土地は蘇州、無錫などよりきわめて安い」としている。

日系自動車部品工場は日本自動車部品団地(JAPIC)と自動車設備工業団地(JAEIC)が運営する。従業員の採用、派遣,教育、管理を共同で行うほか、住宅、専門ガイド、通訳、ドライバーをサービスする。

レンタル工場の提供、原材料の共同仕入れ、共同販売、共同運搬、共同施設の提供、中国法律情報の提供、税務手続きや輸出手続きの代行なども行う。

工場のレンタル料は3年間無料、4年後から1,000平方メートル当たり250万円。製造設備は日本での遊休設備を持ち込み、不足分を現地で調達する。単独で企業運営ができるようになれば、組合脱会が可能。日本から第1期15社程度(将来400社を予定)が参加する見込み。