2011年03月28日
タカラバイオ、自治医大に寄付講座「遺伝子医療」推進へ
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:タカラバイオ

タカラバイオは28日、自治医科大学に4月1日付で寄付講座「免疫遺伝子細胞治療学(タカラバイオ)講座」を開設すると発表した。

遺伝子治療の臨床研究を実施中の小澤敬也・同大学医学部教授(内科学講座血液学部門主任教授)を中心に、キメラ抗原受容体(CAR)遺伝子治療の研究を推進するのが狙い。悪性リンパ腫などの造血器腫瘍を対象に、CAR遺伝子治療の臨床開発や、新規CAR関連技術の研究開発を進める。

【寄付講座の概要】
(1)名称 : 免疫遺伝子細胞治療学(タカラバイオ)講座
(2)設置期間 : 平成23年4月1日から平成26年3月31日まで
(3)寄付金総額 : 9,000万円(3,000万円×3年)
(4)体制 : 小澤敬也 教授(兼任)、大嶺謙 講師(兼任)、塚原智典 助教(兼任)、内堀亮介 助教(専任)
タカラバイオ研究員1名を派遣予定。

<用語の解説>
■キメラ抗原受容体 :
キメラ抗原受容体(CAR Chimeric Antigen Receptor)とは、あるがん抗原を特異的に認識するモノクローナル抗体由来の単鎖抗体(scFV)と、T細胞受容体を遺伝子工学的に結合させて作製した、がん抗原を特異的に認識できる受容体のこと。T細胞受容体と異なり、CARはヒト白血球抗原(HLA)の型に制限されることなくがん抗原を認識することができる。このため、CARを表面に発現したT細胞を患者に戻すCAR遺伝子治療は、HLAの型に関係なく、対象となるがん抗原を持つ全ての患者に用いることができる。

■TCR遺伝子治療 :
TCR(T細胞受容体)遺伝子治療とは、患者のがん細胞に発現しているがん抗原を特異的に認識するTCRの遺伝子を自己リンパ球に導入し、患者に輸注する治療法。タカラバイオは現在、三重大学医学部と共同で、食道がんを対象としたTCR遺伝子治療の臨床研究を実施している。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1301294328.pdf