2011年03月28日 |
産総研、人体の動きを測定できるCNTひずみセンサーを開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:産業技術総合研究所 |
産業技術総合研究所は28日、炭素原子だけで構成するナノ材料の単層カーボンナノチューブ(単層CNT)の薄膜を伸縮性のある高分子基板の上に貼り付け、CNT膜の電気抵抗変化によってひずみを検出できるCNTひずみセンサーの開発に成功したと発表した。 このCNTひずみセンサーは、簡単に衣服や体に貼り付けることができるため、膝の屈伸や指の動き、呼吸・発声をモニターできるため、将来のウェアラブルデバイス(身につけられるほど小型のコンピュータやデバイス)の開発につながり、レクリエーションや医療分野での応用が期待される。 CNTひずみセンサーは、従来の金属製ひずみセンサーの約50倍となる、280%の大きさのひずみまで検出可能である。また、150%以下のひずみに対しては、1万回以上も繰り返し検出可能な耐久性を持ち、ひずみに対する応答性はわずか14ミリ秒と、100%以上の大きなひずみを測定できるセンサーとして最速である。 さらに、導電性材料と高分子との複合材料で作られたひずみセンサーと比較すると、クリープ(物体に応力が作用し続けると、時間とともに物体のひずみが大きくなる現象)が小さく、クリープからの回復も20倍以上速い、などの特徴がある。 この研究成果は、3月27日(日本時間3月28日)に英国科学雑誌「ネイチャーナノテクノロジー」のオンライン速報版で公開される。 |