2011年04月04日
中外製薬、宇都宮工場など 地震損害額90億円
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:中外製薬

中外製薬は4日、今回の東日本大地震で被災した宇都宮工場や委託製造会社の損害及び復旧状況について発表(第3報)した。この中で最大の被害が出た宇都宮工場は、一部包装関係の設備が再開したものの、完全復旧は9月頃となる見通し。また、損害額約90億円にのぼる見込みだとしている。発表内容(要旨)以下の通り。

■ 宇都宮工場(栃木県宇都宮市)
一部製品の包装・出荷機能は既に再開している。その他の設備は、準備が整いしだい順次操業再開する。9月にはほぼ復旧の見通し。現時点で判明した被害の状況は次の通り。

<建物、設備の損害状況>
◇建物 : 9棟のうち、品質管理棟、倉庫棟(それぞれ2棟のうちの1棟)、事務厚生棟の3棟の損傷が甚大。バイオ原薬製造棟を含め、その他の6棟の建物の損傷は軽微。
◇設備 : 製剤、包装設備の一部が損傷。バイオ原薬の培養槽を含めその他の設備は損傷なし。

<仕掛品、在庫の損害状況>
◇一部の仕掛品、製品在庫が破損。

■ 委託製造会社
一部の委託製造会社の生産設備が被災し操業停止中。製品供給への影響については委託先企業とともに現在調査・検討中。

<製品供給の見通し>
製品の安全供給を確保するため、現在、グループ内の他工場への生産機能移転や他社への生産委託を含めて努力している。

<損害額>
現時点で入手可能な情報に基づき算出したところ、損害額は約90億円となる見込み。主に宇都宮工場に関する費用で、建物等有形固定資産の損壊による損失、修繕費、固定資産の撤去費用並びに棚卸資産損失、操業停止中の固定費等による。なお、工場施設内にはまだ立ち入り困難な箇所もあり、同金額には推定値が含まれている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1301899510.pdf