2001年02月28日
中外製薬、5月から腎性貧血治療剤エポジンSを発売~透析合併治療薬を強化
大日本製薬とはプルタールの国内並行販売で合意~今夏からスタート
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:中外製薬

 中外製薬は28日、遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤「エポジンS750・1500・3000」のプレフィルドシリンジ製剤を5月7日から発売する、と発表した。また大日本製薬との間で、大日本製薬が開発・販売している静注用鉄剤「プルタール」(一般名:コンドロイチン硫酸・鉄コロイド)を国内で並行販売することで合意した。
 同社は1990年4月に透析施行中の腎性貧血治療薬として「エポジン注」を発売以来、透析医療における貧血対策に貢献してきた。しかしその反面エポジン注は、バイアルに充填された凍結乾燥製剤であるため、使用については添付溶解液による溶解操作、注射筒充填操作が必要で、多くの患者を抱える医療機関から操作の少ない新たな製剤の開発が望まれていた。
 今回発売するエポジンS750・1500・3000は、これら透析医療現場のニーズに応えるべく開発、組成をより安全性の高い非タンパク(ゼラチン除去)とした上で、製剤調製が簡便、薬剤準備時の製剤汚染や感染機会を回避できるなどの特長をもつヒエリスロポエチン製剤として、国内初のシリンジ製剤となっている。
 一方、プルタールは、鉄欠乏症を適応症とする注射剤で、1967年3月から国内で大日本製薬が販売している。今回の合意により、中外製薬は今年夏から並行販売をスタートする予定。
 中外製薬は、腎疾患・透析領域の製品開発、販売に注力してきており、これまでエポジン注以外にも、活性型ビタミンD3製剤「アルファロール」、二次性副甲状腺機能亢進症治療薬「オキサロール注」を開発・上市してきた。今後も大日本製薬との「プルタール」の並行販売をはじめ、リン吸着剤(PB-94)の開発・上市などを通じ、透析合併症治療薬のラインアップの強化・拡充を図っていく考え。