2011年04月15日 |
理研など、Bリンパ球から抗体産生細胞への分化を制御する仕組み解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:文部科学省 |
理化学研究所、大阪大学、科学技術振興機構(JST)は15日、免疫機能を発揮するBリンパ球が、抗体産生細胞に分化するために必要なシグナルを、リン酸化酵素Erkが伝達することを世界で初めて解明したと発表した。 Bリンパ球は、生体を脅かす細菌やウイルスなどの抗原に遭遇すると、抗体産生細胞へと分化して抗原特異的抗体を産生し生体防御機能を発揮するが、抗体産生細胞へ分化する仕組みは謎のままであった。 しかし今回、抗体産生細胞への分化におけるErkの役割を解明し、遺伝子の発現を調節するたんぱく質である転写因子の発現を誘導し、抗体産生細胞へと分化させるのに必須のリン酸化酵素であることを初めて明らかにした。 Bリンパ球が抗体産生細胞へと分化する仕組みを明らかにしたことで、今後、アレルギーを引き起こすIgE抗体や、自己免疫疾患の原因となる自己抗体を産生するBリンパ球を標的として抗体産生をブロックし、アレルギー疾患や自己免疫疾患を抑制する新たな創薬開発につながると期待される。 |