2011年04月19日
首長スチレン工会長、「節電25%はPS生産に影響必至」
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

日本スチレン工業会の首長信幸会長(PSジャパン社長)は19日の定例記者会見で、政府が今夏のピーク電力抑制策として25%節電を実施する見通しであることについて、「PSの供給能力は実力ベースで年間80万トンだが、このうち55万トンは東京電力管内で占めており、PS生産への影響は避けられない」と、懸念を表明した。その対策については「輸入品の拡大もあるが、メーカーとしては生産効率の良いものへの生産シフトを強めたい」との考えを示した。また、「注意しなければならないのは、(PS供給減を見越した)仮需の発生だろう」と指摘した。

同工業会が19日発表した1ー3月のPS生産出荷実績によると、生産は18万5518トンで前年同期比2%増、国内出荷は17万3919トン、同1%増で2期連続のプラスとなり、輸出は5555トン、同36%減で4期連続のマイナスとなり、出荷合計は輸出減が響いて17万9474トン、同1%減になった。3月末在庫は6万9554トンで前月より10%減少し「在庫水準は低め」(首長会長)となった。

1ー3月期の内需をみると、電機・工業用は同9%減であり、生活家電は堅調だがデジタル家電、事務機器の落ち込みが大きい。包装用は2期連続プラスでOPSが好調。雑貨・産業用は5期連続のマイナスで同6%減、フォームスチレン(FS)用は6期連続プラスの同17%増である。このうちボード向けが住宅エコポイントの効果で好調を持続、PSP(ポリスチレンペーパー)向けも堅調である。

一方、1-3月期のスチレンモノマー(SM)実績は、生産が75万9768トンで昨年が定修年であった関係で同11%増、国内出荷はPS向けや発泡スチロール(EPS)向けが微減、合成ゴム向けが増加したが、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)向けが減少したため同2%減の36万3696トンとなった。

輸出は昨年が定修年で減少した反動で同18%増の38万7493トンである。出荷合計は国内出荷の減少を輸出の回復がカバーして75万1189トン、同8%増となった。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1303192239.pdf