2011年04月20日
中原VEC会長、「大震災の影響、予想より小さい」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

塩ビ工業・環境協会(VEC)の中原茂明会長(トクヤマ会長)は20日の定例記者会見で、東日本大震災が塩ビ樹脂業界に与えた影響について「3月の生産は前年同月比で15.5%減少しているが前年が26.6%増と急増した反動もある。地震の影響は予想したより小さかった。3月の国内出荷も同3.3%増と堅調で、全体的にユーザー産業の落ち込みはみられなかった」と、業界が受けた影響は予想より小さかったとの考えを示した。

また、今夏の大口需要家に対する25%節電については「塩ビ樹脂の生産能力の約4割が東京電力管内にあるが、自家発電や共同火力設備がかなりある」とし、影響は限定的との見方を示した。

一方、VECが同日発表した3月の塩化ビニル樹脂(PVC)生産出荷実績によると、生産は12万692トンで前年同月比15.5%減少、2010年度の累計では172万690トン、前年度比4.8%減となった。

国内出荷は9万5292トンで同3.3%増、このうち硬質用が5万1957トンで同3.8%増、軟質用が2万5010トン、同1.1%増、電線・その他用が1万8325トン、同5.1%増となった。年度累計はそれぞれ54万5117トン、前年度比6.5%増、25万8429トン、同7.6%増、18万8886トン、同1.4%増と軒並み増加した。

輸出は3月が3万4851トン、同46.6%減で年度累計では73万6845トン、同19.5%減であり、原料高(ナフサ価格高騰)による輸出採算の悪化が影響したようだ。輸出の減少により出荷総計は3月が13万143トン、同17.4%減、年度累計で172万9277トン、同5.0%減となった。

なお、塩化ビニル樹脂モノマー(VCM)は3月の生産が21万2118トン、前年同月比13.7%減、国内出荷が12万9351トン、同12.9%減、このうちPVC用が12万2445トン、同15.0%減、その他用が6906トン、同50.6%増。3月の輸出は8万2107トン、同5.7%減で出荷総計は21万1458トン、同10.3%減だった。


ニュースリリース参照
○塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1303280024.xls

○塩ビモノマー
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1303280024.xls