2011年04月21日
3月の可塑剤生産 大幅前年割れ、地震の影響大きく
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:可塑剤工業会

可塑剤工業会が発表した3月の需給実績によると、回復傾向にあったDOPなどのフタル酸系可塑剤の生産は前年比30%減の1万トン強と13カ月ぶりの前年割れ、出荷も4%減の1万1800トンで7カ月ぶりに減少に転じた。

東日本大地震による影響で、シージーエスター(三菱ガス化学とチッソの合弁)の五井工場が被災し一時操業を停止した。ジェイ・プラス(協和発酵ケミカルと三菱化学の合弁)も川崎工場が停止したほか、千葉、四日市の両工場が定修中で一時的に供給に支障が生じた。

両社とも地震後の復旧は完了し再開したものの、原料調達や電力事情などの問題もあり、正常な状態に戻るまでにはなお時間を要する見込みだとしている。

ただ、このところの需給バランス全体はピーク時(2005−07年)の80%程度とまだ低く、住宅建設などの本格回復待ちといったところだ。

■3月の可塑剤需給実績  単位:トン ( )対前年同月比%

【フタル酸系合計】
◇生産   14,655(70.7)
◇出荷   18.516(95.8)
・国内   17,661(94.5)
・輸出     855(ー)
・在庫   19,449(119.3)

<DOP>
◇生産   10,404(101.5)
◇出荷   11,765(101.5)
・国内   10,935(99.1)
・輸出     830(ー)
・在庫    6,974(109.1)

<DBP>
◇生産    55(47.8)
◇出荷    135(85.4)
・国内    135(85.4)
・輸出     0(ー)
・在庫    74(87.1)

<DIDP>
◇生産     0(ー)
◇出荷    353(87.6)
・国内    353(87.6)
・輸出     0(ー)
・在庫    1,690(90.1)

<DINP>
◇生産    4,139(52.2)
◇出荷    5,579(85.4)
・国内    5,579(85.4)
・輸出      0(ー)
・在庫    8,780(142.9)

<その他>
◇生産    57(5.6)
◇出荷    684(113.8)
・国内    659(116.8)
・輸出     25(ー)
・在庫   1,931(106.8)

【アジピン酸系】
◇生産   1,661(122.4)
◇出荷   1,472(98.2)
・国内   1,446(87.6)
・輸出     26(ー)
・在庫   4,890(105.2)