2001年02月27日
アジアのPTA需給、来年まで新増設なくタイト化進む
PTAメーカーでは、市況建て直しに本腰
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井化学、三菱化学

 アジアのPTA(高純度テレフタル酸)需給は、中国を中心に需要の成長が続く一方、供給側では目立った増設も無いことから、2Q以降急速にタイト化が進む公算が強まっている。こうしたことから三井化学、三菱化学では原料PX(パラキシレン)価格の上昇もあり、3月分から市況立て直しを進め、健全な価格体系を目指す方針だ。
 昨年のアジアでのPTA総需要量は約1,500万トンと、前年に比べ約100万トン増加したが、今年についても同様な成長が見込まれ、1,600万トン以上に達するものと見られている。とくに中国ではポリエステル重合設備の立ち上げが相次ぐこともあり、昨年の410万トンの需要量は500万トン程度への増加が見込まれている。
 一方の供給側では、2002年に台湾FCFCの増設(年産45万トン)まで設備の新設計画は無く、デボトルも韓国で三星石油化学および三南石油化学が年末にそれぞれ10万トンの増設を行うものの、需要成長には追いつかないことから需給バランスは急速にタイト化が進むと見られている。
 現在のPTA価格は昨年末の中国市場の減速もあり、トン500ドルを割り込んでいるものとされているが、3月分は530ドル、2Qは560ドルを目指し、徐々に市況改善を進めていくものと見られている。とくに2Qは定修が集中することもあり、PTAメーカーが安定供給を継続する点からも、収益を確保した健全な価格体系づくりが求められている。