2001年02月27日 |
日立化成と積水化学、家庭用合併処理浄化槽で業務提携 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:積水化学工業、日立化成工業、環境省 |
日立化成工業と積水化学工業は27日、家庭用合併処理浄化槽の生産委託を軸とした業務提携に合意した、と発表した。 今回の業務提携について、生産で対象となるのはコンパクト型家庭用合併処理浄化槽(商品名は日立化成がニューハイバッキーKGF2型、積水化学がSGC型)で、KGF2型を日立化成・結城事業所(販売地域は北海道・東北、関東、中部、近畿)、福山日立化成工業(同中四国)、九州積水工業(九州)で生産、SGC型を日立化成・結城事業所(北海道・東北、関東)、九州積水工業(協力会社の三貴工業所、中部、近畿)、福山日立化成工業(中四国)、九州積水工業(九州)で生産する。実施時期は4月1日から。また、今後は次期モデルの開発を共同で推進していく考え。 近年、環境保全に対する気運の高まりとともに、し尿と生活雑排水を一緒に処理できる合併浄化槽のニーズが高まっている。特にし尿のみを処理し生活雑排水を処理できない単独処理浄化槽は、河川や湖沼等の水質汚濁の主因となっているため、昨年3月からメーカー各社が自主的に生産を中止しているが、今年4月から施行される改正浄化槽法により法律上も新設が原則禁止となることが合併処理浄化槽の普及拡大に追い風となっている。 家庭用合併処理浄化槽の中では、狭小地でも施工が容易なコンパクト型のニーズが高まっており、その中で日立化成はコンパクト型に100%シフト、積水化学は日立化成からOEM供給を受け、今後さらなるコンパクト型へのシフトを指向している。こうしたなか両社は、今回の提携により今後一層の拡大が期待されるコンパクト型の需要獲得を目指す。 また浄化槽メーカーは、所定の放流水質を維持するため、浄化槽の施工・維持管理業者への情報提供や啓発活動を行うよう環境省から要請されており、両社は協力してこれを進め、恒久的な排水処理施設として家庭用合併処理浄化槽の普及。促進に取り組んでいく方針。 業務提携のメリットとして両社は、生産性の向上をはじめ、配送拠点の相互利用による物流コストの低減、次期モデルの共同開発による開発費負担の軽減などを見込んでいる。 日立化成は、10月に住宅機器・環境設備事業部門を分社化、住宅機器・環境設備の専業メーカーとして事業を展開する計画。今回の提携も事業強化の一環に位置付けられ、特に積水化学がKGF2型を本格的に生産、販売することで売上をさらに拡大できるメリットがあるとしている。これにより、浄化槽事業をユニットバス、システムキッチンとともに分社後の新会社の事業の柱とする考え。 一方、積水化学は、浄化槽市場がコンパクト型へ移行する中で、今回の業務提携により生産・流通面における競争力をさらに強化するとともに、自社住宅部門への安定供給と独自の販売チャネルへの拡販活動を積極的に行う方針で、また九州積水工業の生産性を向上させることができるとしている。 |