2011年05月16日 |
昭電と豊田織機、新型ハイブリッド車用「冷却器」開発で市村賞 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:昭和電工、トヨタ自動車 |
昭和電工は16日、豊田自動織機と共同開発した「新型ハイブリッド車に搭載されたパワー半導体用冷却器」の開発技術の独創性と、産業社会の発展に果たした役割が認められ、両社の技術者3氏が第43回市村産業賞貢献賞を受賞したと発表した。 受賞したのは豊田自動織機の関森俊幸専務と同社エレクトロ二クス事業部の大年浩太技術部長、昭和電工アルミニウム事業部門・柳本茂技術顧問の3氏。 受賞対象となった冷却器は、パワー半導体に発生する熱を効率的に冷却するための部品で、パワーコントロールユニットと呼ばれるハイブリッド車の基幹部品を構成している。2009年5月に発売されたトヨタ自動車の新型プリウス(第3世代)に採用され、実用化している。 本製品はアルミニウム製の成形体とセラミック絶縁基板を一括ろう付で一体化した「直冷式冷却器」で、線膨張係数が異なる素材を組み合わせる際に発生する歪みを独自の冷却構造により解決した。また、冷却水が全体に均一に流れる設計になっており、薄型でも低い通水抵抗を可能にした。 これにより従来の冷却機構に比べパワー半導体から冷却器までの熱抵抗は2/3、冷却機構の体積は1/3、質量は1/5と薄く小型・軽量で高い冷却性能を実現した。 両社は同技術で2010年度の社団法人軽金属学会「第45回 小山田記念賞」も共同受賞している。 なお3氏は、今回の受賞賞金300万円全額を東日本大震災の義援金として日本赤十字社に寄付した。 |