2011年05月18日
田中三井化学社長・会見「エチレンの再編“加速”に期待」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学
田中稔一社長

三井化学の田中稔一社長は18日、経営概況説明の記者会見を行ったが、この中で市原工場や鹿島工場が東日本大地震の影響を受けたことと関連して、「これから(復興によって)新しい日本をつくらないといけない。産業界も上流の石油業界は変わろうとしている。石化業界も再編の動きが加速すると思う」と語った。

さらに質問に答えて、「エネルギー問題は今や世界的なテーマだ。今回の原発をきっかけに、さらに変化していくのではないか。わが国の石油業界も待ったなしだ。それなのに川下の石化が単純に今までと同じパターンでやっていていいとは思わない。石化の場合はそれぞれに“お家の事情”もあり簡単ではないが、国際競争に勝てる仕組みをつくらないといけない」と強調した。

また、原料問題では海外の例として「米国では今、シェールガスが非常に注目され、政府自体も開発・普及に力を入れている。米国の化学業界も新しい、安価な原料として期待しており、導入が広がる見込みだ」と述べ、「日本のナフサ・クラッカー770万トンは、そのままでいいののか」と繰り返し石化業界の現状に強い懸念を示した。