2011年05月18日
三井化学・11年度計画 営業利益 450億円達成へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

三井化学は18日、2011年度業績予想を中心に経営概況説明会を開催した。田中稔一社長は「幸い大震災では工場に大きな被災はなかった。11年度は中計達成への重要な年になる。重点5事業、世界トップ5事業、育成5領域を中心に積極的に事業戦略に取り組み、営業利益450億円を確保したい。年間80億円のコストダウンを計画している」と力を込めた。

重点5事業としてあげているのは、景気変動を受け難い(1)機能フィルム・シート(2)衛材用不織布(3)システムハウス(4)エンプラ・コンパウンド(5)農業化学品の海外展開の5事業。

このうち、機能フィルム・シート事業は昨年10月、東セロ、三井化学ファブロ、三井化学機能性フィルム部門が統合して新会社「三井化学東セロ」が発足し、体制強化を実現した。名古屋工場ではソーラーエバ(太陽電池封止材)設備を年産2万トンから4万トンに倍増する。11年8月完成の予定。

世界トップ5事業には、競争優位な(1)高屈折率メガネレンズ(2)Sinopecとの提携強化(3)メタロセンポリマー「エボリュー」(4)エラストマー(5)PPコンパウンドの5部門をあげた。

「エボリュー」は需要が旺盛なため、さらに能力増強を図る。国内の既設年産24万トンは今年11月同30万トンへの増設工事を終える。続いてシンガポールに30万トンクラスの第2プラントを建設する方針。2014年完成の予定。

また、グローバル経営の加速を目標の1つに挙げている。今年6月にはシンガポールに「三井化学シンガポールR&Dセンター」が開設する。現地研究機関と共同で「バイオマス、メタンからのベンゼン製造技術の開発」を加速するのが第一の狙いのようで「国際的にも注目されている技術なので、研究スタッフを増員し早期に工業化に結びつけていきたい」(田中社長)という。

<11年度のセグメント別営業利益予想> 単位:億円 ( )10年度実績
◇石化    :110(128)
◇基礎化学品 :200(204)
◇ウレタン  :△75(△90)
◇機能樹脂  :95(72)
◇加工品   :40(14)
◇機能化学品 :100(100)
◇その他   :△20(△23)
◇合計    :450(405)