2001年02月26日 |
旭化成の機能樹脂・コンパウンド、昨年の投資成果の刈取りと中国展開がテーマ |
3月末に欧州販社設立/東欧や米国西海岸より中国優先~展開方針決定 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:旭化成、新日鐵化学 |
旭化成の機能樹脂・コンパウンド事業部門は、今年の課題として、昨年実施したコンパウンド企業の買収などの投資の成果を着実なものとすること、また今後も需要の拡大が見込まれる中国への事業展開の方針を決定することなどを挙げている。 同社は昨年、新日鐵化学から欧米でコンパウンド事業を展開しているサーモフィルの全株式を約100億円で譲り受けた。その後サーモフィルに旭化成の従業員を配置したほか、エンプラコンパウンド事業の拡大を目指し準備を進めている。これまでサーモフィルは、イギリスの拠点で一部ナイロン樹脂コンパウンドを手がけているものの、同社の主力はPP(ポリプロピレン)コンパウンド。現在、エンプラコンパウンドの試作などの準備を進めており、今後押出機を導入、全体の売上高の30%前後を目標にエンプラコンパウンド事業を拡大する考え。また同事業部門は、今年12月にも独SAP社の統合業務パッケージソフトR/3の導入を予定しているが、本社に先行して6月にもサーモフィルへ導入する考え。さらに3月末には、サーモフィルも出資して欧州に販売会社旭サーモフィル・ヨーロッパを設立する予定。昨年押出機を増設して能力を拡大した旭化成プラスチック・タイランドとの海外3拠点体制をさらに強化する。 一方で、中国市場については、現在も日系コンパウンダーへの生産委託などにより展開しているが、需要の拡大とともにユーザーからも同市場への体制強化を望む声が高まってきているという。当初は、東欧や米国西海岸への展開を優先していたが、中国展開強化の方がより緊急であるとして、できるだけ早期に同市場への展開方針を決定する考え。 |