2011年05月23日
東大大学院、電界効果により新しい超伝導材料を発見
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は23日、東京大学大学院の川崎雅司教授らの研究グループがJST課題解決型基礎研究の一環として、材料の電気の流れやすさを電圧によって制御する電界効果により新しい超伝導材料を発見したと発表した。

これまでに発見された銅酸化物高温超電導体などは、電気を流さない絶縁体に不純物を混ぜて電気を流すようにする化学的手法で作られていたが、今回は超伝導にならないと思われていた絶縁体を電気的手法で超伝導にした初めての例である。

今回の発見では、イオンを含む液体に浸した固体表面に自発的に形成される電気二重層(電解質と電極の界面にできるイオンの集まった部分)を利用した新しいタイプの電界効果により、化学的手法に匹敵する濃度の伝導キャリアを蓄積することに成功した。

超伝導になる物質の候補として、不純物が混じりにくいタンタル酸カリウムを選び、タンタル1原子あたり0.1個の相当する多量の伝導キャリアを導入することで、絶対温度0.05K以下で電気が流れ続ける超伝導状態を作り出すことに成功した。