2011年05月24日
近畿工業と産総研、使用済みHDDからネオジウム磁石を回収
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

環境・リサイクル機械メーカーの近畿工業(本社:兵庫県三木市、和田直哉社長)と産業技術総合研究所はこのほど共同で、使用済みハードディスクドライブ(HDD)からネオジウムやジスプロシウムなどの希土類(レアアース)を含有するネオジウム磁石を、脱磁せずに物理選別する技術の開発に成功した。

ネオジウム磁石はHDDに重量割合で1−3%しか含まれていないため、エネルギー効率が悪く、装置も高価になるため、手作業による解体が現実的な回収方法となっており、実用的な機械化技術が求められていた。

今回、開発した試作機は、HDD内のネオジウム磁石を含むボイスコイルモーターの位置を非破壊で検知し、非磁性鋼製の打ち抜き刃により、HDDを脱磁することなくネオジウム磁石部位だけを回収する物理選別技術である。

磁気センサーと位置センサーを組み合わせることにより、HDDの製造年やメーカー、あるいは投入の向きや裏表にかかわらず、ネオジウム磁石の格納部分を瞬時に検知できる。1台当たり15−20秒程度でネオジウム磁石部分を回収する。

今回開発した試作機は3.5インチHDD専用であるが、将来的には2.5インチHDDや、他の磁石含有製品にも適用できる可能性があり、広くネオジウム磁石のリサイクルに貢献することが期待される。

2012年頃までに実用化する予定である。

同試作機(HDDカッティングセパレータ)は27日まで東京ビックサイトで開催中のNew環境展で展示している。