2011年05月27日
東大院、電圧で磁気を制御できる新しいトランジスター開発に成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は27日、東京大学大学院の福村知昭准教授らの研究グループがJST課題解決型基礎研究の一環として、ありふれた光触媒材料である酸化チタンを用いて、室温において電圧で磁気を制御することに成功したと発表した。

これまで、磁石の性質が電圧に制御できることは、ガリウムマンガンヒ素などの磁性半導体などで報告されているが、マイナス100℃以下の低温でしか動作しなかった。

福村准教授らは、酸化チタンに微量のコバルトを加えて、磁石の性質をオン・オフする新しいトランジスターの作製に成功した。

材料としてコバルト添加酸化チタンを用いるとともに、電圧を有効に加えるために有機電解質が形成する電気二重層を用いる工夫をすることによって、世界で初めて低電圧による室温動作につなげた。

今回の成果は、今後、窓ガラスなどにも搭載可能な室温で動さする透明な磁気メモリデバイスなどへの応用に発展するものと期待される。