2011年05月30日 |
<ルポ>タイ最大の産業集積地、アマタナコンを訪問 |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:なし |
■急成長する工業団地 円高で圧迫されている国内事業の回避策として、中小企業のタイ進出計画が相次いでいる。この5月央にタイ投資委員会(BOI)大阪事務所が編成したタイビジネスミッションに参加して同国を訪問、また、バンコク近郊の成長著しい工業団地を視察した。 今回の参加メンバーは大坂、名古屋、静岡を中心に107社。19、20日、バンコクのBITECで開かれたサブコンタイランド(下請け製造業者専門展、アセアン地域をリード、世界14カ国が参加)を見学した。 また、BOI長官、ジェトロバンコクセンター、バンコク日本人商工会議所などから日本の投資状況、共利共生での持続的成長についての説明を受けた。ミッションが訪問した工業団地はロジャナ、ナワナコン・パトムタニ、イースタン・シーボード、ピントン、304、アマタナコンの各団地。 このなかでタイ最大の産業集積地といわれる1989年からのアマタナコン団地を以下に紹介する。 同団地はバンコクから東に57キロ、スワンナブーム国際空港から42キロ、ドンムアン空港から85キロ。面積2万4,000キロ、チョンブリ県にある。総延長15キロの道路の両側に立地。民営の「アマタ」が経営している。 この団地はBOIの定める2級ゾーンで7年間の法人所得税免除、そのあと3年間半額で優遇される。 参加企業は自動車関連(約33%)、鉄鋼・プラスチック(26%)、電子機器(14%)、化学関連(10%)、サービス(7%)など。団地の価格は一般加工区で1ライ(1,600平方メートル)、500万バーツ、免税区で同550万バーツ。人口14万人。 企業は約550社。国別では日本60%強、タイ17%強、欧州7%、東南アジア4%、台湾4%、中国1%など。日系はダイキン、デンソー、小松、日野自動車、富士通鋼材、ホンダ、サンライズ工業(兵庫県)、旭洋工業(静岡県)、白石電気などが進出している。 ■“強み”は政府のエコカー新興策 同団地はバンコク近くにトヨタ、日産、いすず、三菱、マツダ、スズキ、ホンダ、GM、BMW 、ボルボなどが完成車工場を操業しているのが強みで、サプライチェーンを構成しているといえる。 タイ政府は今年に入ってエコカーの振興に乗り出した。5年後、80万台の生産を目標にしている。 エコカーは排気量1,300CC以下、燃料1リットル当たり20キロ以上、投資金額5億バーツ(1バーツは2.7円)、5年後10万台を生産するのが条件。 すでにトヨタ、日産、三菱,ホンダ,スズキ、フォルクスワーゲン、タタなどが名乗りをあげている。エコカーの製作を目指して自動車部品などの競争も激しさを増す見通しだ。 同団地に近くに1995年からのアマタ・シティ(ラヨン県)がある。 面積1万2,800平方キロ(3級ゾーン)、人口2万5,000人。業種の構成はアマタコンとほぼ同じとなっている。 |