2011年06月06日
東大大学院、新種の光スイッチング磁石の合成に成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は6日、東京大学大学院化学専攻の大越慎一教授らの研究グループが、鉄イオンと有機分子を組み合わせた固体物質で、光照射によりスピンクロスオーバー現象(遷移金属イオンのスピン状態が、低スピン状態と高スピン状態の間で変化する現象)を起こすことにより、磁石の状態に変換する新しいメカニズムの光スイッチング磁石の合成に成功したと発表した。

光によって直接的に磁性をスイッチングできる光磁性材料は、光による直接的な書き込みが可能であるため、光メモリーや光コンピューターなどの光磁気メモリー媒体などへの応用が期待される。

今回、大越教授らは、スピンクロスオーバーを示す鉄イオンを、スピンを持つオクタシアノニオブ酸イオンを介して三次元的に架橋することにより、新種の光スイッチング磁石の合成に成功した。

スピンクロスオーバー光磁性体は、有機分子を多量に含むことが可能であり、将来、構造的に柔軟性のあるフレキシブル光磁性材料開発への第一歩になるといえる。