2001年02月22日 |
三洋化成と三菱化学、高吸水性樹脂事業で合弁契約締結~4月1日営業開始 |
新社名はサンダイヤポリマー、2002年3月期売上高は102億円目標 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:三洋化成、日本合成化学、三菱化学 |
三洋化成工業と三菱化学は22日、昨年11月22日に発表した高吸水性樹脂(SAP)事業の統合について、同日付けで合弁会社基本契約を締結した、と発表した。合弁会社の名前は「サンダイヤポリマー」で、社長には三洋化成の増田房義・専務取締役が就任予定。当初予定通り、4月1日の営業開始を目指し詳細検討を進めてく方針。新会社は2002年3月期に売上高102億円、経常利益3億円を見込んでいる。 新会社サンダイヤポリマーは、資本金20億円で、三洋化成が60%、三菱化学が40%出資する。本社は東京都中央区日本橋で、生産拠点は名古屋工場(愛知県東海市、年産8万5,000トン)と大垣工場(岐阜県大垣市、同1万トン)の2工場9万5,000トン体制、このほか京都市東山区に研究所を構える。 SAPは、水と接触すると瞬時に吸水し(吸水能力は自重の数百倍から1,000倍)、しかも少々押さえた程度では吸った水を容易に放さないという機能を持つ樹脂で、主に紙おむつなどの吸収剤に用いられている。しかしSAPは、1990年代に入り市場の国際化が一段と進展、コスト競争の時代を迎え、新たな事業戦略の構築が急務となっている。このような状況のなか、両社は、保有する設備、技術、営業力などを統合することにより、国際競争力を高め、グローバル・サプライヤーとしての地位を確保することができると判断、昨年11月、SAP事業全般にわたる事業統合を行うことで基本合意していた。その後、事務レベルで具体的折衝を重ねた結果、合弁会社基本契約書を締結したもの。 三洋化成は、1975年、水溶液重合法によるSAPの開発に成功、1978年に世界で初めてコマーシャルベースでSAPの生産販売をスタート。以来、ニーズの多様化に対応して製品ラインを強化し、生産能力も順次増強、、国内・海外の衛生材料メーカーなどに広く供給している。2001年3月期のSAP売上高は102億円の見込みで、同社売上高の13.6%を占める。 一方、三菱化学は、原料であるアクリル酸メーカーでもあり、原料からの一貫生産の強みを生かし、独自に懸濁重合法によるSAPを開発、1987年に生産販売を開始した。同じく、三菱化学の関連会社である日本合成化学工業もSAPの生産販売を手がけていたが、SAP事業合理化のため、1996年に合弁会社ダイヤポリアクリレート(三菱化学株式会社51%出資、)を設立、三菱化学が同社からSAPの供給を受けて販売している。2001年3月期のSAP売上高は18億円の見込み。 なお、新会社は4月1日付で、三洋化成から名古屋工場のSAP製造プラント建屋およびこれに付帯する構築物、機械装置、車両運搬具、器具備品(土地は貸与)、および研究器具および備品を、三菱化学からは棚卸資産の譲渡を受ける。また、ダイヤポリアクリレートからも、SAP製造プラントおよびこれに付帯する構築物等の資産を譲り受ける予定となっている。 |