2011年06月15日
中原VEC会長、「復旧・復興のスピード遅すぎる」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会
中原茂明会長

塩ビ工業・環境協会(VEC)の中原茂明会長(トクヤマ会長)は、15日の定例会見で「(東日本大震災の)復旧・復興のスピードが遅い。苛立ちを感じる。このままでは、内需の冷え込みが懸念される」と指摘した。とくに、
「震災の跡片付けがまだ終わっていない。これでは、復興需要の出番はない」との点を強調した。

また、夏場の電力不足に対応した節電についても「東北・関東だけと思っていたのに、関西・西日本に波及し、全国的な広がりになろうとしている。日本のものづくりがどうなるのか危機感を感じている」とし、「長期化すれば国内産業の空洞化を招く」との点をポイントに挙げた。

同日、VECは、5月の塩ビ樹脂生産・出荷実績を発表した。それによると、生産は12万2688トン前月よりも18.5%増加したが、前年同月比では12.8%減で7カ月連続の前年割れとなった。

国内出荷は8万4815トン、同11.4%増で10カ月連続の前年比プラスとなった。輸出は2万2414トン、同58.2%減で、2カ月連続の前年比半減となった。

これについて中原会長は、「大震災の影響で供給力の低下が懸念されたため、各社が内需優先の姿勢を強めたのではないか」と分析している。

一方、塩化ビニル樹脂モノマー(VCM)は、生産が22万2305トン、前年同月比0.8%減。国内出荷が12万9252トン、同11.4%減、輸出が7万3567トン、同4.1%減で、この結果出荷総計は20万2819トン、同8.9%減となった。

ニュースリリース参照

○塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1308115089.xls

○塩ビモノマー
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1308115089.xls