2001年02月22日
住友化学、シンガポール第3期計画等で石化事業を拡充
ポリオレフィンのS&Bによる規模の拡大にも意欲
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:住友化学、三井化学

 住友化学工業は22日に新期経営計画の概要を明らかにしたが、この中で米倉弘昌社長は、石油化学製品事業について「選択と集中の理念に沿って特に拡充に力を入れていく事業分野の1つがポリオレフィンを始めとした石油化学製品事業」と述べ、狙いを果たしていくに当たっての具体策もいくつか披露した。
 新中期計画では、石油化学製品事業部門の売上目標を2003年度3,900億円(2000度は3,790億円)、2005年度(ただし期待値)5,600億円としている。同社では、この目標のクリアに当たっては(1)シンガポール石油化学第3期計画の実現(2)スクラップ・アンド・ビルド方式によるポリオレフィン設備大型化ならびに低コスト化(3)ポリプロピレンの3極体制の強化--の3点を基本課題に掲げていくとしている。
 このうちのシンガポール計画について米倉社長は「シンガポール政府の要請もあってかねてからシェルとの間で実現に向かっての話し合いを進めているところだ。誘導品の積み上げベースでいけばエチレンの設備規模は年産100万トンをかなり超えることになる」と発言、大型石油化学コンプレックスの建設に対する旺盛な意欲を示した。石化原料に関しては、「既存のエチレンプラント同様、あるいはそれ以上の競争力を発揮できるよう、ナフサのほか西ナツナからシンガポールが輸入する天然ガスを使用していくことも検討中」と多様化に一段と積極的に取り組む考えを明らかにした。2005年までに完成を目指すことになりそう。同社では、中計の中で2003年度までの投資キャッシュフローとして3,400億円を予定しているが、その一部にはシンガポール第3期計画分も含まれているという。
 一方、ポリオレフィンのS&Bについては、ポリオレフィン部門の統合を先行させる三井化学との間で具体策を検討中で、話し合いは順調に進んでいる」と述べ、近い時期に具体的な計画がまとまる見通しにある点を示唆した。