2011年06月16日
世界化学年「女性化学賞」に神戸大・相馬芳枝氏
【カテゴリー】:行政/団体
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相馬芳枝・神戸大学特別顧問

日本化学会は16日、国連が2011年を世界化学年(IYC2011)と定めたのを受けて、IYC2011およびIUPACが世界23人の優れた業績をあげた女性化学者を顕彰する「女性化学賞」を新設し、そのうち日本から相馬芳枝・神戸大学特別顧問の受賞が決定したと発表した。

相馬氏は1965年に神戸大学理学部化学科を卒業。主に工業技術院・大阪工業技術試験所(現産業技術総合研究所)で研究を続け、1977年に工学博士(京都大学)。1978年、カリフォルニア大学アーバインで博士研究員。フランスCNRS客員教授、神戸大学教授などを歴任し、2007年4月から神戸大学特別顧問に就任。

主な業績に「銅、銀カルボニル触媒の発見と第三級カルボン酸の常温常圧合成法の研究」、「地球温室効果防止のための二酸化炭素再資源化の研究」など。

1986年に猿渡賞、1989年に有機合成化学協会賞、2000年に科学技術長長官賞、2001年に日本化学会学術賞を受賞。

日本化学会では理事(2001−2003年)を務め、男女共同参画推進委員会の初代委員長としても活躍。

また、世界約70カ国から1万人以上が参加する環太平洋国際化学会議の2つの大会で、女性化学者のためのシンポジウムを企画しオーガナイザーを務めた。

さらに将来の女性科学者を目指す中高生を増やすために「女子中高生のための関西科学塾」を開催。これらの幅広い活動が世界に認められ今回の受賞に結びついた。