2011年06月21日
富士フィルム、耐熱性と絶縁性のフレキシブルCIGS太陽電池基板開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:富士フイルム
フレキシブル太陽電池用基板

富士フィルムは20日、CIGS太陽電池の製造工場で要求される500℃以上の耐熱性と高い絶縁性を両立した独自のフレキシブル太陽電池用基板を開発したと発表した。

これは産業技術総合研究所との共同研究により開発したもので、新開発のフレキシブル基板を用いた小面積のCIGSで光電変換効率18.1%、複数の太陽電池を1枚の基板上で直列に接続したCIGS太陽電池サブモジュールにおいて光電変換効率15.0%を達成した。

今回開発したフレキシブル基板を用いたCIGS太陽電池は、ガラス基板を使った場合と比較して、面積当たりの重量を2分の1以下に軽量化が可能で、かつ結晶系シリコン太陽電池並の高効率を実現できるのが特徴である。この特徴を生かし、自動車や人工衛星への搭載、建材との貼り合わせなど、新たな用途への応用が期待される。

同社は、オフセット印刷用刷版材料「CTP版」の製造に用いるアルミ陽極酸化法を応用することで、アルミ表面に絶縁性を持たせ、500℃を超える製膜温度への耐熱性と高い絶縁性を両立させた。陽極酸化法で形成した絶縁層は、界面密着性が良好で、ピンホール等の局所欠陥が生じにくい特徴があり大面積化に適している。絶縁層を付与したことにより、同一基板上で直列接続構造を有する太陽電池が作製可能となる。

この成果は、6月22日に米国シアトル市で開催される学会「第37回IEEE PVSC」で産総研との共同成果として発表する。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file3_1308619373.pdf