2011年06月24日
JBA、バイオ協会賞に旭硝子・ASPEX事業部の熊谷博道氏
【カテゴリー】:ファインケミカル(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:旭硝子、バイオインダストリー協会

バイオインダストリー協会(JBA)は、2011年度の「バイオインダストリー協会賞」を「分裂酵母による有用タンパク質の生産技術(ASPEX)開発とその事業化」に成功した旭硝子ASPEX事業部フェローの熊谷博道氏に贈ることを決めた。

賞金は100万円。授与式・発表会は10月5日、バイオジャパン2011(パシフィコ横浜)で行われる。


【業績の概要】
分裂酵母とは、酵母の一種でパン酵母のような出芽ではなく細胞分裂によって増殖する酵母のこと。食品分野ではすでに安全性が認められ、長年にわたり利用されている。

旭硝子ASPEX事業部は、分裂酵母でのタンパク質生産に関与する遺伝子領域や構造の解析、タンパク質の分泌に必須な分泌シグナルの開発、産生されたタンパク質の分解を抑制する技術などを研究し、分裂酵母を利用した高効率タンパク質生産技術・ASPEXを世界に先駆けて構築した。

同技術のライセンス例に、動物飼料添加用酵素の製造技術がある。動物の餌に含まれるリンが環境中に放出されるのを防ぐ効果を持つ。ライセンス先では、組換え酵素製造としては世界最大クラスの培養槽を用いた製造が行われ、広く世界で販売されている。
 
ASPEX事業部はこれらの技術を活用し、バイオ医薬品原薬製造事業の立ち上げにも成功し国内バイオ医薬品受託製造業者としてNo.1の地位を確立している。