2001年02月21日 |
東ソー、南陽事業所でジルコニア粉末の生産能力を倍増 |
今秋めどに年産1,300トン体制へ |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東ソー |
東ソーは21日、光ファイバーのコネクタや電子部品の製造に用いられるジルコニア粉末の生産能力を現在の約2倍となる年産1,300トンに引き上げることを決定した、と発表した。今春にも南陽事業所内で建設に着手し、秋の完工を予定している。 同社のジルコニア粉末事業は、1988年に年産200トンの商業設備を立ち上げたことからスタート、1996年には同370トン、昨年8月には年産620トンへと大幅に増強するなど事業を拡大、現在は世界シェアの約60%を占めるようになっている。今回の増強は、今後も継続的に大幅な需要増が見込まれ、年内には世界的に供給不足が予測されることから、決定したもの。 現在光ファイバーによる情報通信網の普及が世界的に進んでおり、ジルコニアセラミックスを使用する光ファイバー用コネクタの需要が急速に伸びている。これにともなってコネクタメーカー各社も大幅な増産計画を打ち出しており、これらのユーザーから旺盛な引き合いが寄せられているという。一方、携帯電話などに使用される電子部品を製造するための粉砕ボール用途も増加の一途を辿っており、これらの需要増に応える形で大幅な増強に踏み切る。 東ソーが生産するジルコニア粉末は、イットリア安定化ジルコニアと呼ばれるタイプの粉末で、この粉末から得られるジルコニアセラミックスは、強度と靭性に優れ、強くて丈夫なエンジニアリングセラミックスとして各種の構造部品用途に使用されている。また、同社の製品は、品質の安定性に優れ、高い信頼性が求められる光ファイバー用コネクタなどの高機能・高品質用途では、世界市場の約90%のシェアを占めている。 |