2011年07月06日
豊橋技科大、「導電性を自由にデザイン」樹脂複合材技術を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEDO

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6日、豊橋技術科学大学の武藤浩行准教授が、革新的な複合粒子製造方法を用いて、カーボンナノチューブ(CNT)添加量が従来の100分の1でも導電性を有するCNT添加導電性樹脂複合材料の開発に成功したと発表した。この研究は、NEDOの産業技術研究助成事業の一環として実施した。

とくに、溶液中で混合するだけで静電吸着力(プラス・マイナスに帯電させ「静電引力」で吸着させる方法)によりCNTを樹脂粒子表面上に吸着できるため、ごく少量のCNTで高い導電性を持たすことができるだけでなく、吸着量を制御することによって材料の導電性を自由にデザインすることができる。

コストと製造時間も、従来の導電性樹脂製造方法の10分に1程度に低減できる。

さらにこの製造方法は、粒子表面が帯電すれば金属、セラミック、高分子など、さまざまな組み合わせの機能性複合材料を作製することが可能なため、触媒、化粧品等への展開も期待できる。

豊橋技術科学大学では今後、さらに高純度の金属製CNTや金属ナノファイバー等を添加物として、添加量をさらに少なくした透明導電性材料の開発を進める方針である。