2011年07月11日
天津渤海化工集団、プロパン脱水素工場の建設開始
【カテゴリー】:海外(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

天津渤海化工集団は6月末に天津市の浜海新区でプロパン脱水素法によるプロピレン工場建設を開始した。

総投資額は約580百万ドル、プロピレンの能力は年産60万トンで、2013年6月にスタートの予定。
技術はCB&I Lummus のプロパン脱水素法を採用、触媒はSud-Chemieから供給を受ける。原料プロパンは海外から輸入する。

製品のプロピレンは同社と関係会社のオクタノール、エピクロルヒドリン、アクリル酸、酸化プロピレンの原料として使用され、一部は外販される。ポリプロピレンの生産の計画はない。

酸化プロピレンについては、子会社でPVCを生産する天津大沽化工が年産10万トンのプラントと、独自技術の過酸化水素法酸化プロピレン(HPPO)の年産1,500トンのパイロットプラントを持っている。パイロットプラントは昨年10月から操業している。

なお、天津渤海化工は天津のSinopec-SABIC天津石化と原料供給計画を締結し、SM(60万トン)とABS(第1期20万トン)を生産している。

天津渤海化工と丸紅は2010年6月に戦略的パートナーシップ契約を締結した。

丸紅は、これまで、渤海化工が必要とするエチレン、プロピレンなどの原料を主に韓国、VCMを日本などから輸入手当てしたり、スワップしてきた。

戦略的パートナーシップ契約の締結を契機に、丸紅は、天津渤海化工が今後推進する案件への事業提案や、ライセンサーや合弁を含めた海外事業パートナーの積極的な紹介を通じ、その原材料や製品の取扱い、ならびに事業参画にも優先的に関与していく。
また、天津渤海化工との包括的なアライアンスを通じて、中国市場への取組みを強化していく方針。

 既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile/NCODE/29295