2011年07月14日
中外製薬、宇都宮工場、7月中に全設備が稼働再開
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:中外製薬

中外製薬は、3月の大地震による宇都宮工場(栃木県宇都宮市)の被害とその後の復旧状況について13日、次の通り発表した。

<宇都宮工場>
工場ではバイオ医薬品の原薬・製剤製造等を生産している。被災した建物・設備等については当初9月に復旧の見込みと発表したが、実際には予定より早まる見通しである。

(1)製剤・包装・試験・出荷関連の設備は6月末までにほぼ復旧した。
(2)アクテムラ原薬製造設備は、震災の破損は軽微だったが、停電の影響で運転を休止していた。今回、設備のバリデーションや試運転が完了したので、7月末から運転可能となる見込み。なお、アクテムラの原薬は、震災前の段階で十分な量を製造済みだったため、供給に支障は生じていない

これにより宇都宮工場はほぼ全ての設備が、当初見込みより1カ月以上早い8月から稼働する。

また、一部製品はグループ内の他工場へ生産機能移転や生産委託を行っていたが、7月中には同工場から出荷していたほぼ全ての製品が出荷できる見込みである。

<委託製造会社>
一部の委託製造会社の生産設備が被災し操業停止となったため、他社への生産委託や緊急輸入などの対応を行っていた。これらの委託製造会社も9月には復旧を終え、10月中旬までにほぼ全ての製品の工場出荷が再開できる見通しである。

<電力供給不足対策>
東京電力管区内に宇都宮と浮間の2工場を有し、現在節電に努めているが、電力供給に支障(数時間の停電)が生じた場合に備えて、次の対策を実施している。
(1)宇都宮工場では、無停電電源装置(UPS)や発電機を増設する。これにより、停電によるバイオ原薬ならびに製剤製造への影響は回避できると考えている。

(2)浮間工場では、製剤製造設備についてはUPS や発電機の設置により停電の影響は回避可能と考えている。原薬製造については、生産の前倒しを行い、適正な在庫量を確保することで停電の影響を回避する予定です。