2011年07月15日

産総研、世界最高性能の有機薄膜トランジスタを実現

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：産業技術総合研究所

経済産業省の産業技術総合研究所は14日、新たなインクジェット印刷法を用いてシート上の任意の位置に有機半導体単結晶薄膜を作製する技術を開発するとともに、この技術により、薄型ディスプレイなどの大面積電子機器の必須である薄膜トランジスタ(TFT)の性能を従来法の有機TFTに比べて100倍以上向上させることに成功したと発表した。 印刷法による電子デバイス製造技術は、軽い・薄い・落としても壊れないとう特徴を備えた情報通信端末機器(フレキシブルデバイス)を実現する近未来技術として期待されている。 今回、有機半導体を溶解させたインクと、有機半導体の結晶化を促すインクをミクロ液滴として交互に印刷する新手法(ダブルショットインクジェット印刷法)により、分子レベルで平坦な有機半導体単結晶薄膜の作製に成功した。 この技術により作製した有機TFTは、現在の液晶ディスプレイに用いられるアモルファスシリコンTFTを大幅に超える性能を示した。また、従来の印刷法で作製した有機TFTと比較して100倍以上の性能があり、有機TFTとして世界最高の性能を示した。今後、フレキシブルデバイスの研究開発を大きく加速させると期待している。