2011年07月19日
昭和電工、LIB向け3部材の能力を大幅増強
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工

昭和電工は19日、リチウムイオン二次電池(LIB)向けの人造黒鉛負極材(SCMG)、正負極添加剤(カーボンナノチューブVGCF)、電池包材用アルミラミネートフィルムの3部材について、旺盛な需要が見込まれるため生産能力を大幅増強すると発表した。投資額は合計で30億円強を見込んでいる。

これは、2013年度以降に自動車や蓄電用途向けの大型LIB市場が本格的に立ち上がり、需要が急速に伸びると判断、大型LIBの高容量化、長寿命化につながるSCMGおよびVGCFの能力増強を決定した。また、ノートパソコンや携帯電話に搭載されている小型LIBは、スマートフォンやタブレット端末の需要がさらに拡大すると見て、LIBの小型化を可能にする電池包材用アルミラミネートフィルムの能力増強を図ることにした。

<能力増強の概要>
(1)SCMGは大町事業所(長野県大町市)の人造黒鉛を原料とするLIB負極材設備を2012年上期までに現在の年産能力1000トンから同3000トンに順次増強する。

(2)VGCFはLIBの正極材、負極材に添加される導電補助材。川崎工場(神奈川県川崎市)で2012年初頭に生産ラインを1系列増設し現有100トンから200トンに倍増する。

(3)アルミラミネートフィルムは子会社である昭和電工パッケージングが彦根事業所(滋賀県彦根市)で2011年末にドライラミネーターを増設し年産能力を現在の1・5倍に増強する。

昭電グループは現在、SCMGで5%程度、VGCFは100%、アルミラミネートフィルムは50%程度のシェアを保有し、カーボン下地アルミSDXを含めたLIB向け4部材合計で売上高は100億円弱となっているが、今回の能力増強をテコに2015年度には300億円以上の売上高を目指す。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1311043359.doc